らくだ山通信

わくわくいっぱい秋の草原♪

すすきのひかりさえぎるものなし

昭和4年、阿蘇を訪れた山頭火が詠んだ句です。

草原とらくだ山

秋の草原って、どうしてこんなに胸をうつのかなーー

ここ2週間ほど、そんな阿蘇の草原をフィールドにいろんな活動をしました。

村山牧野で干し草刈り

この日は、村山牧野の組合員さんと阿蘇地区パークボランティアのメンバーで「草小積み(くさこづみ)」と「草泊まり(くさどまり)」を作るための草刈りをしました。

涅槃像を背に、刈った草を広げて乾かす

「草小積み」とは、冬場の牛馬の餌や敷料として保存するために積み上げたもの。ススキで作った屋根(とべ)をのっけておくだけのシンプルな構造ですが、空気のとおりがよくって雨が降ってもへっちゃら。先人の知恵がいっぱい詰まったスゴ技です。

「草泊まり」は、ススキで作ったおうちのこと。北外輪の端辺原野などでは、秋の干し草刈りの期間中、家と原野を行き来する労力を省くため、「草泊まり」を作って寝泊まりしていました。道路が整備され、輸送手段も発達した現代ではこの風習はなくなったものの、阿蘇地区パークボランティアなどによりこの「草泊まり」作りの文化は受け継がれています。

今週末はこの「草小積み」を小学生と一緒に作る予定でしたが、雨で草が濡れてしまったためにやむなく断念。わくわくいっぱいの草原を探検してきました。

コカマキリみっけ♪

コアオハナムグリや涙目のツチイナゴなどの虫たちもいっぱいみっけました♪

チカラシバのうにがいっぱいだー♪【二村和代様撮影】

一番人気の「うに」はもちろん、ススキの葉っぱで「葉っぱ鉄砲」も大人気!パークボランティアのリーダーさんたちと一緒にぴゅんぴゅん飛ばしました♪

草小積みとあか牛さんについてお話し中♪

草小積みを作ることができなかったので、村山牧野の組合長と組合員の田上さんより草小積みについてのお話しがありました。

「どうして草が濡れていたら草小積みを作れないと?」

「牛はどのくらい草を食べると?」

などなどこどもたちから質問がいっぱい寄せられました。

最初は、刈ってある草がつるつるすべって邪魔くさくって、こんなもの何の役に立つの?なーーんて言ってたこどもたちでしたが、牛さんたちのためにも、美味しいお野菜作りのためにも草は大切なんだという組合長や田上さんのお話しをば聞いて納得♪しておりました。

先週は、地元の高森高校1年生も草原の生態系について勉強にきました。

薮こぎにチャレンジ!

虫が苦手な子たちばかりでびっくりでしたが、薮こぎとっても喜んでくれました♪見せるいきもんにも興味津々。阿蘇の草原○×クイズをしながら、阿蘇の草原って何がすごいのか?を考えながらのわくわく探検でした。みんなで体験すれば何だって楽しいね♪

そんな草原で出会ったいきもんをば紹介します。

カバキコマチグモの巣

美味しそうな「ちまき」に見えますが、カバキコマチグモのお母さんが作ったおうちです。この中で子育てをし、自らの体をこどもたちの餌にするというとっても興味深いくらしをしています。興味本位で巣を開いたりすると、母グモに噛まれる場合があるのでご注意を。特に夏場は大切な時期です。

ハバヤマボクチSynurus excelsus【横田整一郎様撮影】

秋の草原で異彩を放ってます。ハナムグリが潜り込んでいたりしておもしろいです。葉っぱの裏に白いふわふわがびっしり生えとるですが、仲間のオヤマボクチの葉っぱではこの繊維を取り出してそばのつなぎに使うんだそう。ハバヤマボクチでもできないかなー?

リンドウGentiana scabra【横田整一郎様撮影】

熊本県の県花。お天気がよくないと開いてくれないので心配してましたが、こどもたちの前ではご覧の通りしっかい開いてくれました♪虫めがねでみるととっても綺麗!と、ウメバチソウとともにダントツ人気でした。

さてさて、26日土曜日は、野草園にてバードウォッチングを開催します。見たい鳥はマミチャジナイですが、、実はまだ出会えてません↓でも今野鳥観察楽しいです!旅鳥もまだ見られます。

ウグイスHorornis diphone【横田整一郎様撮影】

なかなか、姿をあらわしてくれませんので出会えたらちょっと嬉しい♪最近はちゃっちゃと鳴いています。

コゲラDendrocopos kizuki【横田整一郎様撮影】

巣を掘っているような、、でも今日は来ませんでした。

アトリFringilla montifringilla【横田整一郎様撮影】

冬鳥もやってきました♪ミズキなどの実をよく食べます。

秋の阿蘇もわくわくです♪

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