らくだ山通信

野草園自然だより

今日からお天気下り坂。昨日まで聞こえていたハルゼミの声は、シュレーゲルアオガエルに変わっています。野草園は緑が色濃くなってきました。野の花たちも、春から初夏の植物へと移行してゆきます。

ホタルカズラLithospermum zollingeri【岡田治之様撮影】

園内では、ホウチャクソウやフタリシズカ、カノコソウ、ツルカノコソウなどが咲いています♪

ウマノアシガタで吸蜜するベニシジミLycaena phlaeas【岩本浩幸様撮影】

草原の代表選手。幼虫は、スイバやギシギシなどタデ科植物を食べます。

ツバメシジミEveres argiades【岩本浩幸様撮影】

後翅にツバメのような尾状突起があることから、ツバメシジミという名になったのだそう。ツバメシジミの幼虫はシロツメクサやカラスノエンドウ、ナンテンハギなどマメ科の植物を食べて育ち、年に何回も発生します。

サカハチチョウAraschnia burejana【岡田治之様撮影】

サカハチチョウの成虫は、春と夏の年に二回見られます。季節によって成虫の翅の模様が全く違ってみえるので、まるで別のチョウみたい♪私は写真のような春型がすきです。幼虫はイラクサ科のコアカソを食べて育ちます。

チョウ以外の虫たちも、賑やかです。

この時期、写真のように枝先が折れてぶらさがっているようすをみたことはありませんか。

これ、なあに?【岡田治之様撮影】

これ実は、イタヤハマキチョッキリの仕業。

イタヤハマキチョッキリByctiscus venustus【大石英雄様撮影】

オトシブミの仲間で、何枚かの葉っぱを巻きあわせて写真のような大きな揺籃を作り、この中に卵をうみます。写真では大きく見えますが、1センチにも満たないちいさな昆虫です!ルビーのように輝いています♪

ヒゲナガオトシブミParatrachelophorus longicornis【大石英雄様撮影】

オスは写真のように首が長―――いのが、特徴♪クロモジやコブシなどの葉っぱを巻きます。

ベニホシハマキチョッキリ(ドロハマキチョッキリ)Byctiscus puberulus【大石英雄様撮影】

エメラルドグリーンにルビーがちりばめられた、体長わずか6㎜のオトシブミの仲間です。風で葉っぱが揺らぐたびに落ちないかとひやひやしますが、この虫たちの匠の技は本当に素晴らしいです!

ルイスアシナガオトシブミHenicolabus lewisii【大石英雄様撮影】

ケヤキの葉っぱを折り曲げているところ。むっきむきです。

これらのオトシブミの仲間はとても警戒心が強くて、すぐコロリと落ちたりして逃げます。大変な揺籃つくりの邪魔をしないよう、そっと見守って観察しましょう♪

トゲヒゲトラカミキリDemonax transilis【大石英雄様撮影】

ヒゲ(触覚)のところにちっちゃいトゲがあることからこの名があるようですが、言いづらい名前!花の蜜が大好き。

ジョウカイボンAthemus suturellus【岡田治之様撮影】

ジョウカイボンの仲間のなかでもよく出合えます。他の虫を捕らえて食べます!

今回の写真はご来館のみなさまから撮影していただいたものです。いきもののいきいきとした表情が伝わってきますね。感謝です!

コメントは受け付けていません。